
精神障害など様々な障害を子ども達にもたらすヨード欠乏症(IDD=Iodine Deficiency Disorders)は、日本ではなじみのない病気ですが、世界では多くの人々がこの病気に悩んでいます。人の一生に必要なヨードは茶さじ一杯分といわれていますが、毎日の摂取が必要です。国際キワニスは、1993年ニース大会で世界奉仕活動(Global Service Project)としてこのヨード欠乏症対策を発表、翌1994年、ニューオーリンズ大会で2000年末までに7,500万ドルの募金をしてこれを撲滅するという誓約を採択しました。具体的には、国際キワニスが国連のユニセフ(UNICEF)とパートナー・シップを組み、キワニスが募金を、ユニセフが実行部隊を担い、世界の危険地帯に食塩にヨードを添加する工場を1000ヶ所設置し、恒久的にヨードの供給を確保しようとするものでした。

国際キワニスは、007シリーズの映画俳優ロジャー・ムーア氏をIDD撲滅の活動名誉会長に任命し、積極的な募金活動に乗り出しました。同氏は2001年4月に来日し、IDD撲滅の重要性を訴えました。
国際キワニスの募金活動は当初の目標を超え、約8,700万ドルに達しました。日本地区は会員数では全世界の0.05%でしたが、募金額は117万ドルと1%を超える実績を挙げました。この結果ヨード添加塩を必要としていた子ども達の70%以上が救われることになったと見られており、UNICEFでの最も成功した活動成果と称えられています。