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社会公益賞

キワニス社会公益賞とは

<目的>
当クラブの社会奉仕団体としての機能を一層発揮するため 秋の全日本合同「日本キワニス文化賞」受賞者の顕彰に対比するものとして 昭和41年度に制定 その趣旨は社会公益のために世間に知られず 酬いられることも少なく 永い間献身的労苦を続けている人達を広く探し求め原則として 毎年1件(賞にふさわしい候補が多数ある場合は数件)を選んで賞を贈り その功績に敬意を表するとともに その尊い存在を世間に紹介しようとするものである。又 これを契機として 社会福祉対策が政府においても 民間においても積極的に取り上げられ 満足な施策が講ぜられるよう出来る限りの運動を展開しようとするものである。

<選考基準>
一口に社会公益と言っても その範囲は極めて広く 賞実施の基準や方法を定めることが極めて難しいので 当初授賞範囲を心身障害者対策に特に功績のあった施設の長に限定したが 第5回よりその選考範囲を広く社会福祉一般にまで広げ 社会公益のために継続して地道に活動している団体または個人を選考の対象としている。 なお 各クラブの選考地域が決められており 東京クラブのそれは 原則として東京・栃木・茨城・群馬・長野・山梨となっている。

≪「キワニス社会公益賞」歴代受賞者≫
第 1回 昭和41 彦根学園園長 西原正則 (重度盲精薄)
第 2回 昭和42 秋津療育園理事長 草野熊吉 (重症心身障害)
第 3回 昭和43 多摩藤倉学園園長 川田はな (精薄)
第 4回 昭和44 日本聾話学校校長 大嶋 功 (聾)
第 5回 昭和45 島田療育園総婦長 中沢千代子 (重症心身障害)
第 6回 昭和46 浴風園寮母 菅谷キヨ (養護老人ホーム)
第 7回 昭和47 本木隣保館主任 種田あい (セツルメント)
第 8回 昭和48 ベテスダ奉仕女母の家 いづみ寮指導員・奉仕女天羽道子 ( 婦人保護)
第 9回 昭和49 宇都宮地区BBS 会 ( ともだち活動)
第10回 昭和50 健康普及会会長 及川裸観 (にこにこ裸運動)
第11回 昭和51 第二聖明園園長 本間昭雄 (盲老人ホーム)
第12回 昭和52 小田原少年園補導主任 横川積治 (更生保護)
     昭和53 小田原少年園火災見舞いのため見送り
第13回 昭和54 日本盲人職能開発センター常務理事 松井新二郎 (盲人の録音タイプ速記)
第14回 昭和55 よこいとグループ (在宅障害児へのボランティア活動)
第15回 昭和56 「香蘭」店主林 景東 (精薄児雇用促)
第16回 昭和57 東京ヘレンケラー協会点字出版局長 井口 淳 (盲人福祉)
第17回 昭和58 本所ベタニヤ母子寮長 長畦すめる (母子福祉)
第18回 昭和59 ( 社福) 日本キリスト教奉仕団アガペ身体障害者作業所センター所長 武間謙太郎 ( 重度障害者授産)
第19回 昭和60 城北福祉センター健康相談室医師 楫取正彦 (長年にわたるボランティア、山谷の医療福祉活動)
第20回 昭和61 タカラクラブ会長 澁沢歌多子 ( 長年にわたるボランティア、福祉活動)
第21回 昭和62 手話通訳 飯塚千代子 (聴覚障害者の福祉に寄与 手話の発展に貢献)
第22回 昭和63 映画のおじさん 岡本勝美 (長年にわたるボランティア活動、地域福祉に貢献)
第23回 昭和64 少年補導委託 秋田葉津枝 (夫を助け1200名の非行少女を善導)
第24回 平成 2 在宅重症心身障害児訪問 関 敏子 (保健婦として 標記事業のパイオニアとして貢献
          同時に後輩の指導にもあたり模範的存在)
第25回 平成 3 身障者自立運動 渡辺啓二他2 ( 自ら障害を持ちながらヒューマンケアセンターを設立
          障害者を含む弱者の自立に多大に貢献)
第26回 平成 4 精神障害者社会復帰施設 やどかりの里
第27回 平成 5 精神障害者社会復帰 「JHI 板橋」 板橋区心の健康と福祉を守る会
第28回 平成 6 (キワニス社会公益・国際貢献賞) マザーランドアカディミー(命の大切さを身をもって子供に伝える)
          減反田を使って米を作り飢餓のアフリカに送り続けている。)
第29回 平成 7 社会福祉関係者兵庫県南部地震救援合同対策本部
          阪神・淡路大震災社会福祉復興本部・ボランティア活動
第30回 平成 8 関東地区病院ボランティアの会所属病院ボランティア・グループ代表荒野綾子
第31回 平成 9 自立の家をつくる会 代表 小佐野 彰( 障害者の自立)
第32回 平成10 クッキングハウス 代表 松浦幸子 (ボランティア活動 知的障害者のレストラン経営)
第33回 平成11 明るい老後を考える会 代表 竹内とき江 (ボランティア活動 高齢者 に対する給食サービス)
第34回 平成12 東京医科歯科大学犯罪被害者相談室 代表山上 皓 ( 犯罪被害者支援)
第35回 平成13 東京YWCAケアサポート 代表 林崎光子 (介護)
第36回 平成14 キッズエナジー 代表 大川原千代子 (難病児童支援)
第37回 平成15 地域ST連絡会・失語症会話パートナー養成部会 代表 田村洋子 (失語症会話パートナーの養成)
第38回 平成16 発見工房クリエイト 理事長 橋本静代(青少年に科学の面白さを体験させる施設の設立、運営)
第39回 平成17 世代交流、夢のかけ橋 代表 丸山陽子(世代間交流の活動を通じ、青少年の更正、立ち直りに尽力)
第40回 平成18 NPO法人東京養育家庭の会 理事長 青葉紘宇 (親のいない子などを自分の家庭で育てる活動)
第41回 平成19 NPO法人女性のスペース「結」 代表 中村敏子 (中野区におけるDVと児童虐待防止の活動)
第42回 平成20 NPO法人わんぱくクラブ育成会 理事長 里中哲夫
第43回 平成21 えじそんくらぶ 理事長 高山恵子
第44回 平成22 ボランティアグループさつき 代表 森川雅志
第45回 平成23 特定非営利活動法人社会的養護の当事者参加推進団体 日向ぼっこ

第46回 平成24
最優秀賞 NPO法人勉強レストランそうなんだ!!(知的障害児に関する学習支援)
優秀賞   NPO法人江戸しぐさ(子どもがよき社会人になるための江戸しぐさの普及)
文化・芸術いきいきネットワーク(高齢者向けの文化芸術活動の場の提供)
第47回 平成25
NPO法人ぱお(障害を持つ子ども達に対する放課後のデイサービス等)
東村山音楽愛好家協会(東日本大震災等で親を亡くした子ども達に対する支援のための募金コンサート等開催)
NPO法人みんなのセンターおむすび(人生半ばで脳血管系の病気や事故で障害を持つに至った人の支援のデイサービス事業)
第48回 平成26
東京里山開拓団(荒れた里山を開拓し、児童養護施設の子ども達と活用する)
HINO飛ぶ教室(不登校、発達障害、いじめの被害の子ども等のためのフリースクール)
NPO法人楽の会リーラ(引きこもりで悩み苦しんでいる青年とその家族のための支援活動)
第49回 平成27
最優秀賞 ひまわりProject Team
優秀賞   「音楽の花束」
第50回 平成28
最優秀賞 NPO法人「子どものちから」
優秀賞 任意団体「さーくる縁」
優秀賞 人格のない社団「こころの青空基金」

以上

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社会公益賞:贈呈式

◎ 第50回(平成28年度)

日時:2016年9月2日(金)12:30−13:30
場所:法曹会館 2階 高砂

-第49回キワニス社会公益賞贈呈式-
受賞団体:最優秀賞 NPO法人「子どものちから」
  優秀賞 任意団体「さーくる縁」
           優秀賞 人格のない社団「こころの青空基金」

贈呈式

贈呈式
贈呈式
贈呈式
 

○都甲社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介
今回の選考に当たっては、東京ボランティア市民活動センターから4団体の情報提供、会員から5団体の推薦があり、委員会で厳正な審査を行い、活動状況の訪問調査を行った上で、3団体をノミネートし、6月3日開催の第9回理事会において承認いただきました。この3団体について、活動状況をご説明いたします。
NPO法人「こどものちから」は築地の国立がん研究センター中央病院12階の小児待合室にボランティアの方と手分けして詰め、見舞いに来られても感染症管理対策上病棟に入れない小学生以下の兄弟を受け入れ、遊びを通じて心に触れ、やがて親御さんとの心のつながりという形で広まっております。こうした活動を通じて、がんや難病の子どもを抱えた家族に対して、安心して治療に取り組めるよう様々な相談にのったり、また、お互いの交流の場を設けるなど、いろいろな面での支援に努めておられます。
「さーくる縁」は、心身の発達に遅れのある子どもと保護者の互助会として活動しておられ、交流会、勉強会にとどまらず、音楽コンサート、遊びの会など開催しておられます。特に、「ふれあう心つながる縁コンサート」に力を入れておられます。プロの演奏家からボランティアとして協力を得、クラシック音楽コンサートとは言え、参加型の演目をなるべく取り入れ、障害のある子ども達が喜びを跳ねることで表現したり、周りに気兼ねすることもなく声を出したり、笑顔いっぱいで、のびのびと音楽を楽しむ機会となっています。
「こころの青空基金」の代表坂本博之様には、本年3月に当クラブ例会において「子ども達に夢を!笑顔を!」と題して、ご講演いただきました。北は北海道から南は沖縄まで児童養護施設を訪問され、子ども達とふれあい、ともに過ごす時間を持って、子ども達の心を開かせる努力をしておられます。さらに、養護施設の退所者の生活指導、就業等自立支援にも努めておられるところです。
受賞団体の代表の方々には心からお祝いを申しあげます。
これまで推薦、審査にご協力いただきました皆様に厚く御礼申しあげます。

○吉國会長より表彰状贈呈並びにお祝いのことば
本日はおめでとうございます。今年の8月はオリンピックでテレビにかじりついていたと思います。私もずっとテレビを見ていましたが、オリンピックでメダルを取った人、取らなかった人それぞれに素晴らしい言葉がありました。私が一番感銘を受けたのはオリンピックではなく、その同じ時期に3,000本安打を達成したイチロー選手です。これは人類史上の偉業だと思います。イチロー選手が後の記者会見で言った言葉が非常に心に残りました。それは「3,000本よりもっと大事なことがある。僕が何かをすることで、僕以外の誰かが喜んでくれる、それが僕にとって一番大切なことだ。」 これはあらゆるボランティア活動、NPO活動に共通する素晴らしいことだと思います。今日のお三方は正にその活動をそういう精神でやっておられる方だと思いました。井上様は子ども達との遊びを通じて、川村様は音楽を通じて、坂本様はスポーツを通じて、その素晴らしい活動について皆様からお話を伺いたいと思います。

○NPO法人「こどものちから」理事長 井上るみ子氏
本日はありがとうございます。このような名誉ある賞をいただけることは、私どもの団体にとってはありがたいことです。国立がんセンターで治療している子ども達や兄弟、家族、そして全国の小児がんを患い、頑張っている子ども達、家族、兄弟にそのまま送り届けたいと思います。本当にありがとうございました。
私の子どもが小児がんになり、国立がんセンターでお世話になり、他界したのが18年前になります。そのとき小学5年生の一番下の娘が「私は蚊帳の外だった」という発言をしました。わずか9か月の闘病でしたが、私が母親として娘に対していろいろ説明したこと、彼女自身が頑張ってくれたことを彼女に理解させるのに2年かかりました。私はとんでもないことをしたと思いました。そのあと、国立がんセンターで子ども達と関わっている中で、幼稚園の年長になるお兄ちゃんと遊ぶ機会がありました。弟が入院中でした。そのお兄ちゃんと「アンパンマンごっこをして遊ぼうか」と言うと、とても嬉しそうにしましたが、「僕はばいきんまんの方が好きなんだ」と言いました。「ばいきんまんは叱られるけれど、自分が言いたいこと、やりたいことをやれるよね」と言いました。この子はどんな生活をしているのだろうかと思いながら、ばいきんまんごっこをしました。そして、遊ぶ時間が終わりだと言うと、彼は下を向いていましたが、清々しい顔で、「僕はアンパンマンに戻るね」と言って、父親のところに戻っていきました。その関わりから、兄弟は自分の役割をしっかり理解していると思いました。自分を押し殺しながらも、自分の家族に良い影響を与えられるように自分を納得させながら、頑張っていると思いました。そんな思いから、子どもと遊んでもらうことを決意しました。そして、個人的に6年間関わり、団体として4年になります。子ども達はますます元気に私達と関わってくれるようになりました。
先日、保育園の卒園式に15分しか参加できない妹さんがいました。その卒園式の朝、お兄ちゃんの体調が悪くなり、歌の上手な妹さんが一生懸命練習した歌を皆に聞いてもらうこともできずに病院に来てしまったからです。しかし、その妹さんは私達に上手に歌ってくれて、母親は皆の前で歌うことができてよかったと言っていました。私達は兄弟が頑張っていることを伝えたいと思います。そして、本人達には頑張っていること、あなたらしく生きていくことはOKだよと伝えていきたいと思います。安全な場所をつくることで、安心して自分らしく生きていけることを伝えたいと思います。それを見ると、親御さんも安心して病気の子どもに全力投球できるのではないかという思いでいます。いずれ小児がんが普通の風邪のように皆が治療できる時が来るように祈りながら、兄弟も頑張っている、サポートが必要なんですよという種を蒔いていきたいと思います。本日はありがとうございました。

○任意団体「さーくる縁」代表 川村紀子氏
このたびは大変栄誉ある、そして歴史ある賞を受賞させていただくことになり、感謝申しあげます。同時に大変恐縮する思いもあります。私達のような小さな団体で、ささやかな活動をしているものに温かな光を当てていただきました東京キワニスクラブの皆様に感謝しています。温かい気持ちをいただいたことを、これから頑張ってくださいというエールの気持ちで送り届けてくださったと考えており、身を引き締めて活動して参りたいと思っております。
私達「さーくる縁」は障害のある子ども、障害があって発達に遅れがあったり、できないことがあったり、病気があったりする子ども達とその家族の会になります。障害の種類は様々です。原因がわからないまま発達が遅れている子どももいます。障害のある子どもがいたお蔭でできたご縁を大切にしたいということで「さーくる縁」という名前をつけ、つながりあうことで、幸せであること、豊かに暮らすことを支え合えたら良いねということで活動しています。自分の子どもに障害があって生まれてくる前は、障害があるということは不幸なことだと思っていました。また、当事者だけではなく、そういう子どもがいる家庭はお気の毒だと思っていました。実際に、自分のところにダウン症の子どもが生まれてきて、一緒に生活し、その子を通じて色々な障害のある方、病気の方、その家族の方と出会った中で、それは間違った考え方であることに気付きました。障害があって生まれてくることは喜びではありませんが、そのことが不幸な訳ではないと実感しています。実際に、その子の存在そのものが喜びであり、優しい空気になると感じています。幸せであることは条件ではなく、そこにいるというだけで、美しく、大切なことだと実感しています。同時に、家族として、友人として一緒に過ごすことができるということは喜びであるとも感じています。奇跡なような、幸せな場であると、「さーくる縁」のメンバーの母親達の実感でもあります。子どもができないこと、病気のときなどに、子どもが持っている苦しみ、それがあるが故の困難を強く感じるときは、母親としてとても苦しい気持ちになることもあります。溺れそうになったとき、わが子だけではなく、家族も社会から排除され、孤独を感じることもあります。そんなときに、同じ境遇にある家族達がつながっていることによって、溺れそうになる気持ちを立て直すことができます。困難に立ち向かうとき、一人ではないと感じると、勇気がわき、困難を乗り越えることができます。自分の心が平穏になると、存在自体を喜び合い、一つひとつの行為に感謝や幸せを深く感じることができると思っています。「さーくる縁」はそういうつながりを育み、場づくりを大事にしてきました。共に楽しんだり、笑ったり、時に泣いたりしながら、つながりあう場をこれからもつくっていきたいと思います。
運営のメンバーは全員母親ですので、小さい子どもを育てることを最優先にしてやっていますので、やれることはささやかなことです。できるときに、できる人ができることをモットーに、小さな力を集めて活動しています。活動としては、勉強会、情報交換会、家族で楽しむバーベキュー、秋には人形劇をする予定です。大きな活動としてはコンサートを開いています。音楽には力があると感じています。子ども達が楽しんでいる姿を見ると楽しくなります。子ども達がそれぞれのやり方で楽しむ場を設けていきたいなと思っています。東京キワニスクラブの皆様からいただいた温かいエールを力に変えて、これからも夢を膨らませて進んでいきたいと思っております。本日はありがとうございました。

○人格のない社団「こころの青空基金代表 坂本博之氏
このたびは名誉ある賞をいただきまして、誠に感謝しております。今年の3月4日にキワニスで、全国の児童養護施設の子ども達とのふれあいの中で感じたこと、学んだことをお話させていただきました。熊本地震の後、熊本の養護施設、菊水学園に行きました。菊水学園は5月末まで避難所になっていました。子ども達と一緒に崩れ落ちている屋根や瓦礫を運びました。私はボクシングを通して、全国の養護施設の子ども達に熱を伝える活動を続けております。熱とは愛だと思います。愛とは待つことだと思います。その子に伝えても、返ってくることを望んではいけないと思います。与えっぱなしだと思います。それが愛だと思います。その子から次の世代の子にバトンタッチしていけば良いと思います。そして、私が70歳、80歳になったころに、昔、子どもに言った言葉が戻ってきたら、素晴らしいし、それを聞くために今を頑張っているのかなと思います。年齢に関係なくできることですから、今を熱く生きていきましょう。このような名誉ある賞をいただき、本当にありがとうございました。

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◎ 第49回(平成27年度)

日 時:2015年9月18日(金)12:30−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

-第49回キワニス社会公益賞贈呈式-
受賞団体:最優秀賞 ひまわりProject Team、
優秀賞  「音楽の花束」

贈呈式

贈呈式
贈呈式

○迫社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介
東京都福祉保健局及び東京ボランティア・市民センターを訪問し、東京キワニスクラブの奉仕活動、社会公益賞の趣旨を説明し、候補の推薦を依頼しました。また、2度にわたり例会において会員からの推薦をお願い致しました。その結果、東京都から1団体の推薦、東京ボランティア・市民センターから、推薦する場合は決定というでないと困るということで、5団体の情報提供いただきました。会員からは3件の推薦がありました。
委員会で検討した結果、候補者を3件に絞り、調査することにしました。その後、社会公益委員の皆様と手分けをして、それぞれの団体の活動を調査しました。内、1件については、原則としてではあるが、5年間は継続して活動実績があることという選考基準を勘案して、次年度に再度検討することとしました。調査の結果を委員会に諮り、最優秀賞をひまわりProject Teamに、優秀賞を「音楽の花束」に贈ることを決定し、6月9日の理事会において承認をいただきました。
ひまわりProject Teamは2010年11月に保護者有志で、新宿区立養護学校内の重度心身障害児童に対して、放課後活動を始められました。2011年9月に法人化し、子ども達が高等部卒業後に通う施設づくりを第2の事業としてスタートされ、現在に至っております。特に、高等部卒業後は行政の支援もなくなるので、医療的なケアにも対応できる通所、入所施設を設立して、運営されておられます。
子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」は、音楽を通じて、子どもの成長の糧に本格的な音楽を聴く会をつくり、併せて子育て中の家族、地域の方々に楽しんでもらうことを目的として、2004年3月から目黒区で子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」のプロデュース活動を始められました。2006年からは目黒区を中心に公立小学校の授業のサポートをする活動を始められ、現在に至っております。代表の後藤京子様はお仕事の関係で、三野耕司様が代理で受賞されます。三野様は当クラブの休会会員です。

○会長より表彰状贈呈並びにお祝いのことば
ひまわりProject Teamと音楽の花束は我々キワニスのモットー、世界の子ども達に役立つ奉仕活動をするという趣旨に非常に合った活動をされておられます。私共は地道に人知れずに活動されている団体を発掘して、表彰させていただいております。相応しい活動の団体ということで、今回2団体を表彰させていただきました。今後とも地域に、そして、将来的には世界に現在なさっておられる尊い奉仕活動を拡げていっていただければありがたいと思っております。本日はおめでとうございます。

○受賞のことば
(1) ひまわりProject Team 代表理事 藤原千里氏
この度は栄誉あるキワニス社会公益賞を賜りまして、誠にありがとうございます。私達がひまわりProject Teamを立ち上げた当初はスタッフ全員が障害児を抱え、ノウハウもなく、試行錯誤の中、多くの方々に支えられながら活動してまいりました。私達のような小さな団体に目を向けていただき、こういった機会を持たせていただいたことに、改めてお礼申しあげます。
近年、医療の進歩で重い障害を持った方達の平均寿命は飛躍的に伸びています。また、法律の改正により、在宅で医療行為が認められるようになったことから、地域社会では、多くの重症心身障害児が生活しております。しかし、残念ながら、行政の対応や社会的認知が追いついていないのが現状です。ひまわりProject Teamでは、こういったすき間に取り残された障害者にできるだけ多くの方々の目を向けていただき、生活の質を向上させることを目的として活動してまいりました。重度心身障害児者は生活すべてに介護が必要で、個々にできることが限られています。私達の活動では、専門性の高い様々な工夫を凝らし、就職といった概念を持つことが難しい重度障害者の作業を広く社会に販売できる商品につなげています。販売当初は商品を置いていただくところを探すのに苦労しましたが、徐々に協力していただける場所が増え、今では作業者一人ひとりに少額ですが、作業代を支払うことが可能になりました。こういった作業の成果やその継続は生きるためのモチベーションとなり、生活の質を大きく変えることにつながっていきます。私達はこれからも障害があっても社会の一員としてできるだけ多くの方々とかかわりが持てるように、そして、より質の高い生活を過ごしていただけるように、そして何よりいただいた社会公益賞に恥じることのないよう活動を続けてまいりたいと思っております。
最後になりましたが、今回の授賞式の日程を私達の都合で変更していただくという大変なご迷惑をおかけしたことをお詫び申しあげます。そして、今回、私達の活動を見学くださり、ご自分のことのように熱心に話を聞いてくださいました委員長の迫様、小坂様、中門様に改めて御礼申しあげますとともに、会員の皆様のご健康とキワニスクラブのますますの発展を祈念いたしまして、お礼のご挨拶とさせていただきます。本日はありがとうございました。

(2) 子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」 代表 後藤京子氏 代理 三野耕司氏
この度、子どもとともに楽しむ音楽会「音楽の花束」に伝統あるキワニス社会公益賞を賜り、ありがとうございます。本日、代表の後藤は学校の講師をしている関係で、残念ながら出席することができませんが、友人として私が代理の役を承りました。後藤から預かってきました挨拶をご披露させていただきたいと思います。
私共は発足以来、子どもたちと子育て中のファミリーが、よい音楽を身近に楽しむ機会をつくるため、多くの皆様のお力を借りて今日まで活動を続けてまいりました。
発足当初、自分達の子どもの頃と比べますと、まったく経験していないような電気機器に囲まれた生活環境に不自然さを感じていました。もっと自然のもの、質の良いものに触れて、感性豊かな子ども達に育って欲しいと心から思いました。子育て仲間も同様の意見でした。それが「音楽の花束」の活動のきっかけになりました。単に、デジタルで音楽を聴くだけでなく、生の演奏家の心のこもった音楽に直接触れることが貴重で素晴らしいものだと改めて気づきました。そして、2004年に子どものために、身近でそんな経験ができる場をつくろうと自主コンサートを始めました。
最初は幼稚園で始めましたが、その子どもたちが大きくなり、自分からコンサートに出向いたり、生の音楽を始めたり、家族の中で音楽が身近になっていきました。「音楽の花束」に関わってきた子どもたちはボランティアスタッフとして手伝ったり、友達と一緒に参加したりしています。最近の活動では、離島で生の音楽を聴く機会がない子ども達に演奏家と一緒に演奏を聴かせたりしています。交通費がぎりぎり出せるかどうかという状況の中でやっています。また、高齢者の施設に出向いて、生の音楽を聴いていただく活動も始めました。
この度の伝統あるキワニス社会公益賞受賞を励みとして、今後も引き続き、より多くの方々に音楽で豊かな感動あふれる人生を過ごしていただけるよう、微力ではありますが、心を尽くして活動を続けてまいりたいと存じます。東京キワニスクラブの皆様に改めて心から御礼申しあげ、受賞のご挨拶とさせていただきます。

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◎ 第48回(平成26年度)

日 時:2014年7月4日(金)12:30−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

-第48回キワニス社会公益賞贈呈式-
受賞団体:東京里山開拓団(代表 堀崎茂様)、
HINO飛ぶ教室(代表 滝口仁様)、
NPO法人楽の会リーラ(理事長 安斉陽一様)

贈呈式

贈呈式

○中門社会公益委員長より受賞者紹介並びに選考経過報告
今回の選考に当たっては東京ボランティア市民活動センターから6団体、東京都福祉保健局から3団体、会員から6団体の合計15団体の推薦がありました。社会公益委員会を6回開催、第1回委員会では推薦依頼と選考方法を決めましたので、実質的な選考、審査は5回の委員会で行いました。審査に当たっての方針は、キワニスの目的である子どものための奉仕活動に最も相応しい活動をしているような団体を選ぶ、その中でも特に、子どもに対する虐待、いじめ等の防止をしているような団体を重視したらとうかという意見がありました。組織力、財政力の大きな団体は除き、世間に知られずに地道に努力をされている団体が望ましい。活動実績については最低でも3年以上あり、しっかり活動している団体を選考する。子ども以外に対する支援活動、社会福祉一般についても、社会公益のために継続して地道に活動している団体があれば、含めることにしました。
以上のような方針の下に審査をした結果、虐待、いじめ防止の活動をしている団体もありましたが、組織力、財政力が大きかったために外し、虐待やいじめを受けた子どもを支援する団体、引きこもりの若者への支援をしている3つの団体が残り、それぞれの団体の活動状況について委員が分担して、訪問調査を行い、確認をいたしました。委員会の決定をして、5月13日の理事会において承認をいただきました。
今回の受賞の3団体の活動状況(資料配布)についてご説明いたします。東京里山開拓団は八王子にある荒れた里山を開拓し、そこに大田区にある児童養護施設の子ども達を毎月連れて行き、子ども達に自然とふれあいをさせ、遊具づくり、落ち葉集め、畑作業等の体験をさせる活動をしています。里山の環境保全と恵まれない子ども達への支援活動を両立させる活動をしています。この活動は全てボランティアで行っています。HINO飛ぶ教室は不登校、いじめの被害を受けている子ども、発達障害等の問題を抱えた子どものためのフリースクールを開設し、学習指導だけではなく、フットサル、テニス、太極拳等のスポーツも行い、それぞれの子どもに合った支援をし、彼らの居場所を提供しています。ひの・子ども支援塾として生活保護の家庭、低所得のひとり親家庭の子ども達のために、無料の学習支援も行っています。HINO飛ぶ教室もほとんどがボランティアによって支えられています。NPO法人楽の会リーラは全国で引きこもりの人達は30歳以下では70万人、40歳以上を加えると約100万人いると言われています。引きこもりで悩んでいる青年とその家族のための支援活動を行っています。当事者からの電話相談、居場所の開設、家庭への出前相談、親に対するカウンセリング、学習会を行っています。引きこもりの当事者だけ、あるいはその親だけを相手にする団体はありますが、楽の会リーラは親と子ども双方をサポートする活動を行っています。担当者はボランティアでやっておられます。
受賞団体の代表の方々に心からお祝いを申しあげるとともに、これまで推薦と審査に当たってくださった会員各位に心から御礼申しあげます。

○会長より表彰状と副賞贈呈

○受賞者のことば
@東京里山開拓団 代表 堀崎茂様
このたびは伝統あるキワニス社会公益賞をいただき、誠にありがとうございます。正直我々のようなものがいただくに値するのかなと思っていましたが、先ほどの審査基準として地道に活動しているところというお話があり、少しだけ合点が行きました。私共の活動は山に道をつくるところから始めますので、正に地道な活動です。東京には何十年も人が入らなくなった里山がたくさんあります。そこに道をつくり、広場をつくり、児童養護施設の子ども達と一緒に開拓を行い、自然の恵みを活用するボランティア活動を行っています。私が一人荒れた里山に入ったのは2006年でした。その頃に里山の価値に気づき、熱心に通っていると、地主さんからそんなに好きならと譲っていただきました。2009年ボランティア団体として発足いたしました。2012年から児童養護施設の子ども達と活動を始めました。それまでなかなか順風満帆には行かず、山の中で道に迷ったり、大怪我をしそうになったり、地元の方から不審者扱いされたりしました。いろいろな施設に声をかけましたが、信頼も実績もないところからやっていたので、会ってももらえませんでした。それでも続けられたのは私自身里山に魅力を感じていたからです。大人も子どもも里山に行ったら、自分達の知識、力で取り組みます。そこにある木、葉っぱ、石が資源に見えてきます。そういう資源をどう活用するか子ども達と相談しながらやっています。子ども達は焚き火を焚くことも出来るようになりました。畑を開墾して芋を育てています。腐葉土も落ち葉を集めてつくります。雨水をタンクに集めて、水をまいています。巨大なブランコ、展望台も手づくりしました。現代の都市で重視されているもの、所属、地位、年齢、名誉が一切役に立たない場であるところが里山の魅力だと思います。そういう空間は居心地が良い。
児童養護施設の子ども達との里山開拓は毎月1回、15回行い、延べ100人以上の子どもが参加してくれました。子ども達の多くはリピーターで、施設の先生方からはこんな笑顔を見たことがないと言ってくださいます。そんな力が里山にあるのかなと思っています。荒れた里山に子ども達の笑顔、笑い声がこだまし、いろいろな事情で親と離れて暮らす児童養護施設の子ども達は悩みを抱えていると思いますが、心から喜んでくれて、里山に自分の居場所を見つけ、楽しみを見出してくれて、私共はやりがいを感じています。東京は世界最大の人口を抱え、全世界では都市化がどんどん進んでいます。社会のひずみは児童養護施設の子ども達のような弱い立場の人の前に多く現れているような気がします。そんな世の中をつくってきた大人として何ができるかと考えてたどりついた一つの小さな道ですが、荒れた里山を開拓して、環境保全と児童福祉を両立させながら進める道でもあると思いながら取り組んでいます。子どもを楽しませるだけではなく、大人自身も楽しんでいこう、趣味とボランティアを兼ねて行うというように一石二鳥というコンセプトを重視しています。最近は企業とボランティアの一石二鳥に取り組んでいます。子ども達と開拓した里山を企業のメンタル研修として提供することを始めています。ここでは児童養護施設の子ども達は恵まれない、可哀相な存在ではなく、逞しい子ども達です。
まだまだチャレンジしながらの団体ですが、今回の受賞を励みとして地道に一石二鳥の取り組みを続けていけたらと思っています。引き続き皆様とのご縁をいただけましたら幸いです。本日はありがとうございました。

AHINO飛ぶ教室 代表 滝口仁様
本日はありがとうございました。1980年、30歳のときに今の教室の前身の八王子にあったTAKAO飛ぶ教室の代表になりました。それ以来34年アッという間に過ぎてしまいました。東京の八王子で地域の補習塾から始まり、いろいろな子ども達が来るようになりました。家、学校で親や先生が子ども達に皆と仲良くしなさいと言いますが、塾を始めて、皆ってどこまでだろうと思いました。学校に行きたくても行けない不登校の子どもは必ずクラスに何人かいます。障害があるという理由で地域の普通学校に進めなかった障害のある子ども達がいます。そういう子ども達も含めて皆と言っているのだろうかと、私自身の反省として思いました。インクルージョン、誰でもが来られるような地区という考え方で活動を始めました。インクルージョンとは、障害のあるなしで子どもをみない、障害があってもその種別で子どもを分けないという考え方で、どんな子どもでも受け入れています。噂を聞きつけて、少し遅れがある子、知的障害のある子、自閉症の子ども、様々な子どもが来るようになりました。障害のある子ども達は小さい頃から医療、教育、福祉と関わってきていますが、この三分野の横のつながりがありません。医療、教育、福祉のネットワークを立ち上げ、その三分野の子ども、若者に関わる人達と一緒に勉強会を続けています。
2011年に政府が初めて日本の子どもの貧困率を発表したのを機に子ども支援塾を立ち上げました。子どもの貧困率はおおよそ16%、6人に1人が貧困ということですから、決して少ない数字ではありません。OECD諸国の中でも高い数字です。子どもの貧困は戦争時のような絶対的貧困と違い、相対的貧困と言い、平均年収の半分以下の収入で生活している家庭のことを指します。パッと見たところではわかりませんが、関わってみると、いつも同じ服を着ているな、いつもご飯を食べているのかなと思うような子どもがいることも事実です。人生が100m競争だとすると、貧困家庭の子ども達は120m後ろからスタートしなさい、しかも重い荷物を持って走りなさいと言われているのと同じです。大人と違って子どもはどんな家庭で育ったかで人生が決まってしまう社会はどうなんだろうという思いから活動を始めました。
活動している中で、行政の政策のずれと立ち遅れを感じています。発達障害の子どもに関しても支援法があり、日野市にも発達支援センターができました。法制度で18歳までとなっています。18歳になると、発達障害が治るわけではないので、18歳以降の支援も必要ですが、制度的にそれがありません。貧困の支援法も成立し、法制度は整いましたが、自治体では具体的な動きがない状態です。私が役員をしている社会福祉協議会もキワニスも民間団体ですが、民間団体の方が制度にこだわらず、動きが早いように思います。制度の傘に入る子ども、若者は良いが、困っているけれど、支える制度がない子ども、若者に対することが私の取り組んでいくべき仕事だと感じています。本日はありがとうございました。

BNPO法人楽の会リーラ 理事長 安斉陽一様
本日は名誉ある賞をいただき、ありがとうございました。2002年、引きこもりのお子様を持っている親を対象に日頃の悩み、講師の話を聞く楽の会を立ち上げました。2年後に楽の会有志OBで、少し外に出られる引きこもりの子どもを支援する団体をつくることになり、2005年9月にNPO法人社会参加支援センターリーラを立ち上げました。家にとじこもり、長い間外に出ていない子どもは一筋縄では出て来ないので、まず電話相談を全国から受けることにしました。そういう子ども達が来られる居場所をつくったりして、活動を拡げてきました。事務所は巣鴨の地蔵商店街の一角にあります。親の会と支援センターを一緒にして、内容的に向上させて、昨年4月からNPO法人楽の会リーラとして活動しております。親の会は家族会と命名して発足以来毎月例会を行っており、世話役は全員ボランティアです。一番困るのは会場の確保です。豊島区の施設を抽選で借りています。原則第3土曜日と決めていますが、抽選に外れると、講師との調整等大変です。1回も途切れることなく行っています。就労支援の一環として昨年12月からコミュニティカフェ「葵鳥(あおどり)」と称してコーヒーを提供し、話し合いもするという活動を始めました。出てこられない方で依頼があれば、こちらから出向いて話をするという出前居場所の活動もしております。
引きこもり問題は難しく、子どもの年齢が上がり、親も高齢化しており、社会的にはなかなか認められておりませんが、引き続き活動を続けて行きたいと思っております。本日はありがとうございました。

○会長よりお祝いのことば
東京里山開拓団の堀崎茂様、HINO飛ぶ教室の滝口仁様、NPO法人楽の会リーラの安斉陽一様、本日はおめでとうございました。今年は東京キワニスクラブの50周年という記念すべき年です。中門委員長を中心に社会公益委員会が熱心に審議をしていただきました。候補の団体を訪問して細かい精査をされたと伺っております。今年は社会的にハンデキャップのある方々を支援している団体に焦点を絞り、この賞を授けることになりました。これも新しい試みでよかったかと思っております。本日受賞された三団体は正に子どものための奉仕という私共キワニスの活動の基本と軌を一にするものです。三団体それぞれ代表者を中心に多岐にわたる活動、アイディアを生み出して実施されていることに感銘を受けました。私共の支援は巨額とは言えませんが、これからも皆様の活動がますます充実して、受益者が増えることを心から祈りまして私のお祝いのことばにさせていただきます。おめでとうございました。

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◎ 第47回(平成25年度)

日 時:2013年7月19日(金) 12:30−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

-第47回キワニス社会公益賞贈呈式-
受賞団体:NPO法人ぱお(押尾洋子理事長)、東村山音楽愛好家協会(倉田博継代表)、
NPO法人みんなのセンターおむすび(加藤勉理事長)

授賞式

授賞式

○中門社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介
東京ボランティア市民活動センターから5団体、東京都福祉保健局から3団体、会員から4団体の推薦をいただきました。12団体について6回委員会を開催し、選考、審査を行いました。審査に当たりキワニスの目的である子どものための奉仕活動を重要視し、組織力、財政力の大きなところは極力対象から外し、活動実績が5年以上、最低でも3年以上しっかり活動していること、あまり世間に知られず、献身的な苦労を続けているような団体が望ましいという方針を決めました。子どもに対する支援活動を重視するが、それ以外の団体も対象に選考範囲を広くし、社会福祉一般にまで広げて継続して地道に活動している団体があれば表彰の対象とするということで審査を進めました。まず12団体を6団体に絞り二次審査をし、最終的に3団体にしました。この3団体について委員が分担し、実際の活動を調査を行い、その上で委員会で決定し、6月11日の理事会において承認をいただきました。3団体についてそれぞれの活動の要約をお配りしています。@NPO法人ぱおは障害を持つ子ども達に対する放課後のデイサービスなどを行っており、特に障害の程度、種類を問わずに受け入れ、障害児一人ひとりの状況に応じた対応をしているところが特徴です。A東村山音楽愛好家協会は東日本大震災等で親を亡くした子ども達に対する支援のための募金コンサートや自閉症児のためのコンサートを度々行っています。BNPO法人みんなのセンターおむすびは人生半ばで脳血管系の病気や事故で障害を持つに至った人を受け入れ、作業や活動を通じてリハビリや社会参加の支援をするデイサービス事業等を行っています。
受賞団体の代表の方々には心からお祝いを申しあげます。これまで推薦、審査にご協力いただきました皆様に厚く御礼申しあげます。

○会長より挨拶・表彰状贈呈
3団体の皆様、おめでとうございます。私共東京キワニスクラブは来年設立50年を迎えます。社会公益賞は47回を数え、50年の歴史の中で古くから力を入れている事業です。キワニスのモットーである「世界の子ども達のために」をメインに広く社会奉仕活動の精神で活動しておられる団体を、世にご紹介し、多少なりともお役に立っていただくということで表彰状と金一封を差し上げてきました。今回受賞された3団体について、中門委員長以下社会公益委員の皆様が熱心に現地調査、面接などをされ、優れた実績をお持ちの皆様方に表彰状を受けていただけることは私共も光栄に思っております。ますますそれぞれの分野で活躍され、ご発展されますようキワニスクラブとしても心からお祈りする次第です。

○受賞のことば
@NPO法人ぱお 押尾洋子理事長
本日は素敵な賞を頂戴し、またこのような席にお招きいただき、ありがとうございました。心から感謝をしております。22年前に小さなスイミングサークルを江戸川区で立ち上げたのがきっかけです。母親から放課後に何か出来ないかという要望に応える形で徐々に今の状態になっていきました。元々当時の行政ではやっていないが、親から必要としていることを探して、応えてやっていくうちに会が大きくなり、2006年に法人化しました。放課後活動のほかに、居宅介護、ヘルパーステーションは障害を持った子どもに特化したサービスを提供しています。子どもに詳しいヘルパーを育てて、家族を支援することをモットーとしています。江戸川区はインド人、韓国人が増え、国際化が進んでいます。子育て広場、居宅介護のステーションの代表はぱおの子どもの母親です。障害を持っている子どもの母親達はきめ細かく、忍耐強く子育てをしてこられた人達なので、そういう力を社会に還元したいと思いました。
主たる活動の放課後活動は、子どもを障害の種類によって受け入れを分けない、障害の程度によって受け入れを拒まない、放課後の遊びの中で発達を支援することを目標にやってきました。子どもの数だけ大人の数が必要です。必ずマンツーマンで大人がついています。活動の内容としては、外に出かけることをたくさん経験として積ませています。社会にたくさん出て、町が大きな教室となり、買い物、歩道の歩き方、バス、電車の乗り方などルールやマナーを守ることを放課後に楽しみながら練習できるのではないかと感じています。室内遊びでは、それぞれ子ども達が楽しい時間を過ごしています。時には買い物に行き、皆でおやつやお昼ごはんをつくったりすることもあります。始めた当初は江戸川区には私共のクラブしかありませんでしたが、最近は増えて、それだけ需要があるのだと感じています。国の制度として放課後等デイサービスという事業が立ち上がりました。私共は江戸川区独自の助成金を受けていましたが、江戸川区も財政難のため補助を打ち切ると言われて、この4月から放課後等デイサービス事業に変えました。この事業の中では子ども10人に対し大人は2〜3人で良いという判断です。私達が大事にしている一人ひとりを援助するという活動ができません。20年近くやってきた活動で、細かく子どもを見ていくと、必ずどの子も発達するという実感を得ていますので、どうしても活動内容を変えたくありませんでした。私は代表者として一番の悩みは財政難です。やる気があり、熱意あふれるスタッフが大勢いて、辞めずに働いてくれています。そのスタッフのモチベーションを維持し、より良いサービスを今後も提供できるように頑張って行きたいと思っています。
来週から子ども達は夏休みが始まります。毎日、毎日10人前後の子ども達が来て、同じ数の大人達も来て、プールに行ったり、宿泊も考えています。子ども達にとっては楽しく、私達にとっても楽しい夏休みにしたいと思っています。江戸川区は東京の隅っこですが、隅っこの小さな私達のような団体に光を当てていただき、ありがとうございます。働いている皆の誇りになり、今後も子ども達の支援に力が入ると思います。今後もご支援くださいますようお願い申しあげます。本日はありがとうございました。

A東村山音楽愛好家協会 倉田博継代表
本日はこのような名誉ある賞を受賞させていただき、ありがとうございました。東村山は一般には志村けんのみで知られていますが、隣は埼玉県所沢市です。自然には恵まれていて、住むには良いところです。私共の団体は約40年前にスタートしました。当時から東村山は東京のベッドタウンで住民はあまり活動に積極的に参加されない地域でした。東村山を音楽の町にしようと思い、仲間を集めて、コンサートを始めました。当時は卒業後7〜8年でまだ仲間もいませんでした。市内に法政大学の弦楽のアンサンブルを組んでいる学生、児童合唱を指導している仲間達と結成し、小学校の体育館、音楽室、ハンセン病の施設の集会場、都立の医療センターの会議室を借りて、ほぼ定期的にコンサートを開催しています。なかなか知られることもなかったのですが、私共はそれで満足していました。18年前に阪神淡路大震災が起きました。私は関西出身で仲間の多くが関西におり、頑張っている様子を見て、募金コンサートを始めました。ところが3月に地下鉄サリン事件が起き、地震の被災地の復興状況が新聞1面に出なくなりましたが、募金コンサートは復興まで続けました。2011年に東日本大震災が起き、当初は計画停電があり、会場の電気が使えず、コンサートの申込ができませんでした。幼稚園に親を亡くした子どもがいることを知り、幼稚園と共催で募金コンサートの会場を借りることができました。私達も財政難の団体で、会場費が要らないということはとてもありがたいことでした。同時にバザーも開催したので、驚くような募金が集まりました。
夢をつなぐ音楽会は、自閉症やダウン症の子ども達が夏休みの間の8月中旬から下旬にかけて開催するコンサートです。今年の8月22日が第14回になります。一緒にやってくださっている自閉症やダウン症の子どもを持つ父親、母親、家族が募金コンサートに手伝いに来てくれます。障害児も指導しているバレエ教室の方、器楽のメンバーが参加してくれます。以上2つが私達の大きな活動です。長く続けることはつらい学生時代の厳しいレッスンを乗り越えたことを考えると、大したことはありません。今回副賞をいただきましたので、若い演奏家に演奏の場を与えるという趣旨に賛同した方が出演してくださいますので、少しでもギャラらしく支払えたらと思っています。障害を持った子どもの親達は先のことを考えると、毎日不安だと思います。そういう気持ちを音楽で癒していただいていると思うと、やりがいのある仕事だと思っています。
チャップリンの映画「ライムライト」の中の「エターナリー」という曲を、手回しのオルゴールでアンコールに歌っていますので、今日も歌わせていただきます。

BNPO法人みんなのセンターおむすび 加藤勉理事長
第47回社会公益賞に選んでいただき、大変光栄に思っております。板橋で社会教育会館と共同で市民フォーラムをやっています。15年間かけて、漸く昨年末で100回を数えました。よくぞ100回やったと周囲から声をかけていただきますが、キワニスの2153回という数を知ったときに、どういう団体かと驚いた次第です。そういう歴史ある団体から素晴らしい賞をいただき、感慨深いものがあります。
私は18歳のときから障害を持つ人との関わりを持っております。介護保険事業の中のデイサービスに中途障害の人が通えるようになりましたが、デイサービスの中で、40代、50代の人が自己実現するのは難しい。障害を持っている人達と一緒に歩んできましたので、中途で障害を持たれた方に光を当てて、充実した日々を送って欲しいと思い、デイサービスを立ち上げました。今の医学では治療が困難な方々についても現在取り組んでいます。
障害者の人達が得た権利は一人ひとりに光を当てて、その人達の自己実現には市民権を得たと思っています。今後も財政難には立ち向かっていかなければなりませんが、一人ひとりに光を当てて、その課題を社会に訴えていく権利は運動の中で勝ち取ったと思います。それに比して、高齢者については下からの運動ではなく、上からおりてきた政策でその人の一生が決まってしまいます。一人ひとりの尊厳を考えたときに、高齢者の課題を地域に広げ、私自身65歳になりましたので、高齢者の一員として考えていきたいと思います。それが50年近く障害者と関わってきた人達から得た次の展開として、高齢者の尊厳を考えるということをお誓いして、お礼の言葉にかえさせていただきます。本日はありがとうございました。

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◎ 第46回(平成24年度)

日 時:2012年7月20日(金) 12:15−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

-第46回キワニス社会公益賞贈呈式-
受賞団体:最優秀賞 NPO法人勉強レストランそうなんだ!!
優秀賞 NPO法人江戸しぐさ、文化・芸術いきいきネットワーク

授賞式

授賞式

○荒木社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介
本日の贈呈式を迎えられましたのも、社会公益委員の皆様、小坂副委員長、竹嶋副委員長、毎回委員会に出席くださった堀井会長、緒方次期会長、また、役員の方々、会員の皆様のお蔭と感謝しております。選考経過報告をさせていただきます。10月18日に第1回目の委員会を開催、今年度の方針、スケジュール、候補の選定方法の確認、決定をいたしました。それを受け10月27日に会員の皆様に今年度の社会公益賞の推薦の依頼をいたしました。また、例年通り東京都福祉保健局、東京ボランティア市民活動センターに推薦の依頼をいたしました。12月20日に第2回委員会を開催、応募状況の確認、会員から2件、東京都福祉保健局から2件、東京ボランティア市民活動センターから4件の推薦がありました。また、前年度からの申し送り1件を含め計9件の推薦がありました。今回の選出にあたり、キワニスのモットーである子ども達のための活動を優先しよう、児童虐待防止の団体があれば、今回も継承したい、活動実績が5年以上ある団体を対象としたい、ただ、最低でも3年以上はしっかりと活動していることが条件、なるべく世間に知られずに献身的に活動を続けている団体がよいのではないかということを確認しました。3月6日の第3回委員会で候補の絞り込みをいたしました。その結果、3月17日に文化・芸術いきいきネットワーク、3月27日にNPO法人勉強レストランそうなんだ!!、4月4日にNPO法人江戸しぐさを社会公益委員と一緒に訪問させていただきました。4月20日の第4回委員会で訪問の結果を報告し、どの団体も素晴らしい活動をされているので、受賞から外すことはできないという結論になりました。毎年社会公益賞は1団体を表彰してきましたが、一つに限らず、複数の団体を表彰するのも良いのではないか、キワニスの会員から推薦していただくことは非常に重要なことなので、尊重しましょうという理由から3つの団体を表彰することが委員会で決まりました。それを受けて5月8日開催の第六回役員会で承認されました。
それぞれ素晴らしい活動をされています。のちほど皆様から短い時間ですが、活動についてお話いただきたいと思います。また、お手元に受賞団体についての簡単なご紹介をお配りさせていただきました。
今日は短い時間ですが、次期事業企画委員長には卓話としてじっくりとお話を伺えるようお願いいたします。

○堀井会長挨拶
今年も素晴らしい団体を表彰することができ、うれしく思っております。選考してくださった社会公益委員の皆様に御礼申しあげます。私も委員会に参加させていただきましたが、訪問された団体に対して委員の皆様は思い入れが強く、今回、3団体を表彰させていただくことになりました。東京キワニスクラブは子どもの幸せのためにいろいろなことをやっております。ドールの活動は続けており、児童虐待のことも関心を持っていきたいと思います。日本の社会の中にある課題に対してどのように取り組んでいけばよいのか、私ども自身が手を動かし汗をかくことも大事ですが、世の中で一つ一つの課題に対して行動を起こし実践しておられる、行動を起こすことは大事だと最近思うようになりましたが、そのような方々にささやかではありますが、支援をさせていただければ、大変な喜びです。皆様方の日頃の活動に敬意を表すると同時に私どもの気持ちが皆様方の活動の中に反映され、皆様方が支援されている方々の気持ちにつながれてば良いなと思っております。本日はおめでとうございます。

○会長から表彰状と副賞贈呈

○受賞のことば
1)NPO法人勉強レストランそうなんだ!! 理事長 福喜多明子様
本日は伝統ある、栄誉ある賞をいただきまして、本当にありがとうございます。お礼の気持ちをお伝えするとともに、当法人の活動の内容を少しご説明させていただきたいと思います。
勉強レストランそうなんだ!!の目的は2つあります。@主に知的な障害のある方々を対象に生涯学習の場を提供すること、A障害の有無にかかわりなく地域で人々が活動する場を提供すること。この2つの目的に向かって活動を始めて7年目に入ります。具体的な活動の主な柱は3つ、@学習支援、A自立支援講座の実施、B成果発表会「そうなんだ祭」、ほかにも王子第二特別支援学校でのパソコン講座の実施、夏休み中のやさしいパソコン講座の実施、そうなんだ発見教室の実施等々を行っています。この活動を始めたルーツをお話したいと思います。私の次女が小学4年生のときに通常学級から当時の心身障害児学級に移ることになりました。当時公立中学の社会科の教諭をしておりました私は思いがけなく障害児教育に保護者として向かわざるを得なくなりました。その後、私自身も公立中学の身障学級の担任になり、保護者であり、担任という両方の立場から障害児教育のカリキュラムに向かわざるを得なくなりました。その中でいろいろことを考えました。次女が中学校の身障学級に入ったときカリキュラムの中に社会科がありませんでした。とりあえず文字が読めたり、話ができる人達が成人すれば選挙権を持ち、犯罪に巻き込まれることも多い方たちが社会科という分野を学ぶ機会がないということはどういうことなのかと思い、次女とその友人を集めて自宅で心身障害児学級における社会科をつくって行こうと勉強会を始めたのがこの活動のルーツです。2005年にNPO法人化をいたしました。
勉強レストランそうなんだ!!のコンセプトは@知的障害者(児)のための学びの“場”、A知的障害がなくても学びの“場”、B自立のための生涯学習の“場”、C学びを通じたノーマライゼーションの“場”。活動内容はいろいろありますが、学習支援、個別指導、様々な指導方法、教材などをうまく組み合わせて成果を生んで参りました。グループ学習は現在2グループ実施しています。法人のルーツになりましたおいしい社会科とくらしの算数のグループ学習を行っています。おいしい社会科は現在就労している20代の若者が5、6人、月に1回時事問題をやさしく学習して、最後にそのテーマに因んだメニューを皆で食べるという内容です。自立支援講座は当法人の大きな活動の柱になっています。これまでで通算31回実施しました。知的な障害を持つご本人、その周囲の方たちを対象としたものです。内容はみだしなみ、性と人間関係、社会の中でのマナー、自分の仕事について語る会、悪質商法撃退、ヘルシークッキング等々。成果発表会「そうなんだ祭」は年1回開催しています。歌、楽器演奏や、自分で調べたことを発表したり、個性豊かな発表をみることができます。王子第二特別支援学校でパソコン指導を5年ほど行っています。知的障害があるとパソコンなんてできっこないと決め込む方が多く、知的障害がある方がパソコンに接することが難しい。しかし、パソコンができる生徒はたくさんいます。富士通マイクロソリューションズが社員の社会貢献の観点から全面協力いただき、パソコン講座を夏休みに開催しています。昨年から始めました「夏の発見教室」は当法人の参加者の兄弟で大学生が中心となり、企画、運営しています。大学生が宿題のお手伝いをしたり、大学生が発見授業を実施したりします。
法人の活動内容を急ぎ足で紹介させいただきましたが、本日はありがとうございます。これかも末永いご支援をお願い申しあげます。当法人の財政状況は決して楽ではなく、無休で働く事務局はたびたび折れそうになります。本日の受賞でスタッフ一同元気づくと思います。ありがとうございました。

2)NPO法人江戸しぐさ 理事長 越川禮子様
江戸しぐさというと、「傘かしげ」「肩引き」「蟹歩き」、何年か前の都営地下鉄のポスターでブレイクダウンしました。本当は稚児しぐさで、子どもが最初に覚える社会のエチケットです。人の上に立つ人のしぐさ、惻隠の情から始まりました。それがいつの間にかそういうものがなくなり、ただ単に「傘かしげ」「肩引き」になっているのが残念です。子どもは感性が鋭いですから直ぐわかります。江戸しぐさは知ることではなく、することだと子どもが言います。江戸しぐさはグローバルスタンダードとして通じる江戸の感性です。決して知識ではありません。江戸の町衆のトップの人達の感性です。四書五経、儒教等々を町方に拡げるためにやさしく噛み砕いていますから、インテリの男性は馬鹿にしてたいしたことはないと思うようですが、深い深い哲学が入っています。先日は九州で葉隠れの研究者に会ってきました。葉隠れも人の上に立つ武士たちの平常のたしなみで、共通点が多く意を強くしました。子ども達は吸い取り紙で吸うように感性を江戸しぐさから受け止めていて、大変頼もしい。子どもは意味がわからなくても覚えてしまいます。本日は立派な賞をいただき、ありがとうございました。

3)文化・芸術いきいきネットワーク 代表 佐藤典子様
本日は素敵な賞をいただきまして、ありがとございます。それ程年数が経っていない団体ですが、今回の受賞は会員の励みです。私共は高齢者施設や高齢者に本物を届ける活動をしています。認知症やお体の悪い方々を対象にしています。財力もなく、何もなく、自分達の情熱、人間の尊厳、一人ひとりと向き合う毎日を提供できたら、自分の人生は本当に幸せだと思っていただけるのではないかと思いながら活動しています。今回の受賞はこの背中を押していただいたということで、ありがたく思っております。
子ども達の活動を支援されている皆様方に高齢者にも目を向けていただき、高齢期の人達が何の発言もせずに、毎日、施設や地域で孤独と向き合いながらくらしている姿が多くあります。そのことを自分のこととして向き合っていただける機会を後押ししていただきまして、本当に嬉しく思っております。
感動を届ける一つの活動として、国立音楽大学のオペラの演出家の中村研一先生の監修でオペラ「羊飼いと狼」を1時間の番組にパッケージ化し、昔懐かしい歌、日本の歌曲を織り交ぜながら1時間のオペラとして高齢者施設で上演する活動をしています。敬老の日に5,000円の音楽の謝礼を払うのがやっとという高齢者施設が多い。これは介護保険外の活動ですから。そこにプロの方をお招きするときは、私どもがお金の支援をして、高齢者施設は無料で楽しんでいただいています。趣味の活動を高齢者、認知症の方にもわかりやすく提供するために、サポートする側と指導する側がチームになり、毎日の活動を支援しています。余った布を張り合わせてつくった絵をご覧いただきます。認知症の方の作品ですが、素敵な絵ができあがりました。親が認知症になってかっがりしていた家族の方々も作品を見て励みになりました。高齢者の尊厳を満たし、いきいきした毎日を過ごすことができると思っています。山下洋輔さんのご理解をいただき、コンサートをして収益金を集めて活動の充実につなげています。アメリカの高齢者施設等様々な施設を見学して、日本の高齢者の生活を見る度にアクティビティが専門的に位置づけられていない社会であると思います。実践を通して高齢者の皆様に自分の人生は良かったと最後に言っていただけるような社会をつくっていきたいと思います。今の高齢期の問題は財力、人員、職員の問題等様々な問題を抱えています。こうしたことに光を当てて下さった今回の受賞を心から感謝を申しあげます。私共もこれを励みにしながら、一人ひとり施設や地域に、障害児の子ども達にも本物のアクティビティを提供していますが、文化・芸術が生きる力を与えることを柱にして参りたいと思います。今後ともご支援いただけましたら、ありがたく存じます。そして、日本の社会の高齢期がより良いものになることを願っています。子ども達にも光を当ててくださいますようお願い申しあげます。皆様の活動が今後もますます発展され、多くの人達が勇気をいただけますよう願っております。本日はありがとうございました。

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◎ 第45回(平成23年度)

日 時:2011年7月1日(金) 12:00−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

−第45回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体:特定非営利活動法人社会的養護の当事者参加推進団体 日向ぼっこ
理事長 渡井さゆり氏、理事 渡井隆行氏

授賞式

授賞式

○大庭社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介
本年度の受賞団体は日向ぼっこというNPO法人です。その理事長は渡井さゆり様です。本年度推薦された団体は13ありましたが、委員会で慎重な審査の結果選ばれた団体です。養護というのは、子どもを護り育てていくということですが、現実には親が子に先立って亡くなってしまう、親がいろいろな理由で行方不明になってしまう、子育てを放棄してしまう、子どもを虐待する等さまざまな理由によって、実際上親のない子がいます。社会ではそういう子どもを養護する制度を用意しており、現在4万人ほどの子どもがその制度で養護されています。社会養護施設のサービスを誰かがチェックしているでしょうか。家族がいなければ、誰が親身になってそういうサービスをチェックするでしょうか。そういうところで成長した若者を社会がどのように迎え入れているだろうか。これは当事者だけがわかっていることです。実は家族のないこのような若者達はいわれのない差別に悩んだり、さまざまな問題に直面しています。日向ぼっこはそのような家族のいない若者達に集まってくつろげる場を用意する、問題に苦しんでいる若者の相談にのる、社会的養護のサービスの実態を把握し、その改善を提言するという活動を行なっています。当事者でなければわからない問題を他に先駆けて取り組んできた団体です。この活動は健全な青少年を育てるために意義の大きなものです。子どもに奉仕しようという我々キワニスクラブにとりまして、称賛すべきものだと判断されます。以上、本年度の社会公益賞の受賞団体、日向ぼっこをご紹介いたしました。
日向ぼっこの活動は以前NHKの「追跡A to Z」という番組で報じられたことがあります。日向ぼっこで相談をしながら、力強く歩んで行こうとする青年の姿が描かれていました。立派な活動をされているな、世の中にどうしても生じてしまった親のない社会的養護を受けた人達をこれから先どのように育てていくのかを考えたとき、それが健全な社会の強さを持つということだと思うものですから、こういう活動がますます発展することを心より祈るものです。キワニスとして素晴らしい団体を選ぶことができたと考えています。

○会長より表彰状並びに副賞贈呈

○受賞のことば 渡井さゆり氏

このたびは名誉ある賞をいただき、ありがとうございます。先ほどご紹介いただいたように、日向ぼっこでは児童養護施設、里親家庭など社会的養護の下で生活していた人達の居場所相談事業と当事者の声を市民、行政、援助者の方々に伝える普及啓発活動をしています。昨晩も厚生労働省で社会的養護の課題等に関する検討委員会が行なわれ、当事者として意見を申し述べてきたところです。先ほどから当事者という言葉が出ていますが、私自身も子どものとき、児童養護施設、母子生活支援施設であわせて10年間お世話になりました。私自身が悪いことをしたり、過ちがあったわけではなく、私には選べなかった親が私のことを育てることができまず、親からも「あんたなんか生みたくなかったんや」と言われて育ちました。物心ついたときには施設でも、施設の職員達は仕事で私のことを育ててくれていて、私も人に迷惑をかけないようにとの義務感で生きてきました。高校まで社会的養護の下で育ててもらえたことは本当に感謝しています。私自身が生まれてきて良かった、これから幸せになろうという思いを持って社会に羽ばたけたかというとそうではなく、ここまで育ててもらったけれど、この先どこに向かって、どういうふうに歩いていけば良いのかな、どういうふうに生きていけば良いのかな、悲しいことがあったときに一緒に悲しんでくれる人もいなければ、嬉しいことがあったときに一緒に喜んでくれる人もいない、そういう人生の悲喜こもごもを分かち合う人だったり、わからないことを教えてくれる人もいない。そういう人生を何のために生きていかなければならないのか。18歳のフリーターだった私にとってとてもしんどいことでした。
私と同じような境遇の人達同士で支えあうことができれば良いなと思い、貯めていたお金で大学に行き、大学で幸運にも出会えた同じような境遇の人達とともに日向ぼっこの勉強会を始め、同じような境遇の人達が集える場所、日向ぼっこサロンを立ち上げました。そして、今は集ってくださる方々に、その人達が悪いわけではないけれど得られなかった家庭的な環境を体験していただければと日々思いながら、日向ぼっこの運営をしています。このような栄えある賞をいただくことになるとは夢にも思っていなかったので、感無量で、とても嬉しく胸がいっぱいです。
まだまだ社会的養護のことは知られていないと思います。次世代を育成していくに当たって、少子高齢社会の中で一人ひとりの子ども達が生まれてきて良かった、幸せになろう、そのことがひいては国力になると信じています。たまたま親に恵まれなかった子どもは、そのハンデを一生背負っていくという今の日本の社会の構造が改善され、どんな子どももフェアなスタートが切れるように、そのために行政に働きかけをできるだけしていますが、市民の方々の理解、支持が不可欠です。これまでの日本を支えてこられ、また今後も支えてくださる皆様方にご理解とご支持をいただき、社会的養護がますます充実することを願っています。そのために今後も活動に邁進していく所存です。本日はありがとうございました。

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◎ 第44回(平成22年度)

日 時:2010年7月2日(金) 12:00−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

−第44回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体:ボランティアグループさつき
代表 森川雅志、カリタスの園さゆりの寮 施設長 松田文枝シスター

授賞式

授賞式

○山口社会公益委員長より選考経過報告
  ほぼ毎月社会公益委員会を開催し、選考を重ねて参りました。その結果、受賞されました「ボランティアグループさつき」をご紹介します。グループの活動場所は杉並区井草にある養護施設のカリタスの園さゆりの寮です。代表の森川雅志様は現在60歳、東証一部上場エレマティック且キ行役員経理部長の要職にあります。大学在学中よりボランティア活動を通じて社会に貢献したいという思いが篤く、同じ思いの5人の仲間と養護施設のカリタスの園さゆりの寮で生活している親との縁の薄い子ども達の力となり、支えとなることを目指して活動を開始し、35年の長きに亘ってボランティアの仲間と変わらぬ熱意で活動をされています。さらに子ども達が施設から育った後もアフターケアを続けるなど強い絆で結ばれており、森川様にとっても支えの一つとなっています。体の許す限り続けていきたいと熱意を燃やしておられます。一方、施設側も森川様、同ボランティアグループの活動を高く評価し、なくてはならない存在と感謝されています。活動場所はキリスト教カトリック系の児童養護施設ですが、たまたま森川様や仲間の自宅の近いということで、特に宗教的な背景はないそうです。
  ボランティアグループさつきのメンバーは20〜30名、全体の6割が女性、学生、比較的若い社会人が中心で卒業、転勤等で入れ替わりが激しく、毎年補充しています。立ち上げ当時のメンバーで残っているのは森川様だけです。子ども達の自立心を育むために一人の子どもを一人の大人が1年間担当するマンツーマン方式で活動を行っています。毎週火、木、土の午後6時から9時ごろまで施設で子ども達の学習指導、話し相手となる他、毎年のサマーキャンプなどの企画、実施など全てボランティアグループの人達の自腹で賄っており、援助は受けていません。施設の子ども達が施設を巣立った後も、就職の世話、進路相談など親代わりの役割を担うことも多く、森川様と巣立った子どもとの年齢差が10歳というような方ともいまだに付き合いがあり、とても固い絆で結ばれています。

○北里会長より表彰状、副賞贈呈

○森本雅志さんより受賞のことば
本日は素晴らしい賞を頂戴し、誠にありがとうございます。お礼の意味を込めて私どもの活動の一端を紹介させていただきます。私が36年前にグループをつくったときは、ただ単に子どもが好きだったからです。子どものために何かをしようと、当時は養護施設が何たるかも知らず、電話帳で施設を捜した結果、さゆりの寮と出会いました。当時は若く、血気盛んで福祉も勉強したわけでもなく、素人の私が今考えると赤面するようなことを話しましたら、快く受けてくださり、ありがたく思います。それがなければ、このように長く続かなかったと感謝しています。 社会に出てからがお手伝いしていかなければならないという気持ちを持っていましたので、卒園後の子ども達とつながりを持つ活動をしています。私には2人の子どもがいますが、卒園後の子ども達、孫がたくさんできました。命の続く限りお手伝いをしていきたいと思います。最近困ったことがあります。一つは6,7割が若い女性でなかなか話があわず、溝があって苦労していることです。もう一つは後継者がいないことです。これからも施設の方のご協力をいただきながら、子ども達のためにがんばりたいと思います。本日はありがとうございました。

○松田文枝シスターより一言
  本日は素晴らしい集いにお招きいただき、光栄に存じております。児童養護施設は家庭にいろいろな問題をかかえている子ども達、家族と一緒に生活することが出来ない子ども達、2歳〜18歳の子ども達をお預かりしております。この子ども達の生活の全般を支援しております。今虐待が増えています。子ども達は自分の親との基礎的な対人関係が確立していないために、その後の人間関係にもギクシャクし、キレやすく、いろいろな問題をかかえています。その関係を取りもどすために、周囲の大人が日常生活の中で細やかな関わりを持たなければなりません。国の職員配置が満足ではない状況の中で、私達は支援させていただいています。森川様達のグループのお手伝いはなくてはならいありがたい存在です。子ども達との1対1の関係を築いていくためには、6対1の職員では不可能なことです。ボランティアグループさつきの皆様がお手伝いくださり、いろいろな行事を私ども職員と一緒になってやってくださっていることを力強く思っております。ボランティアグループさつきを本日表彰していただいことは、私どもさゆりの寮にとっても、職員も子ども達も諸手を上げて喜び、感謝をしているところです。子ども達を最優先という旗印をかかげて活動している皆様方の活動を力強く感じております。子ども達一人ひとりが一人ではない、多くの世界の人々、日本の人々、東京キワニスの方々が支えてくださっていることを、子ども達は自分達の生きる力としてこれからもこれを支えに生きていけるのではないかなと思います。この子ども達は今は社会的な養護を受ける立場にありますが、長じて社会に貢献できる人材に育って欲しいと願っています。ボランティアの方々の存在を子ども達に折りある毎に伝えています。今日帰りましたら、皆様方の大きな支えを伝えたいと思います。これからも子ども達を支え続けていただきたいと思います。皆様方の活動のますますのご発展を祈念して、感謝の言葉とさせていただきます。

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◎ 第43回(平成21年度)

日 時:2009年7月17日(金) 12:10−13:30
場 所:法曹会館 2階 高砂

―第43回キワニス社会公益賞贈呈式―
授賞団体:えじそんくらぶ 理事長 高山恵子氏、井手籠栄理子氏

授賞式

授賞式

○山口社会公益委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介
  今年度の社会公益委員会では東京都のボランティアセンター、東京都福祉保健局並びに当クラブ会員のご推薦による20の候補の中から、今回は子どもに対する応援活動をターゲットに絞り、選考を重ねました。最終的に絞った4候補のもとに高橋淳三副委員長と訪問し、実際の活動を見聞した状況を委員会に持ち帰り検討し、最終的にNPO法人えじそんくらぶに決定し、役員会で承認されました。
  えじそんくらぶ理事長の高山恵子さんは1959年東京都出身、昭和大学薬学部を卒業後、10年間英国塾を経営し、1995年教育学を勉強のためアメリカのトリニティ大学の大学院に留学、帰国後、臨床心理士として養護施設、保健所、養護学校などで本格的に活動を開始しました。その活動の中で1998年にADHD、徐々に社会問題になっている注意欠損、多動性障害を持つ子どもの母親との教育相談を行ったことをきっかけにADHDを持つ人たちとその家族、教師、専門家への支援と連携を強化することの必要性を痛感され、本格的活動を始めました。同じ昭和大学の卒業生の仲間と一緒に2002年1月にNPO法人を立ち上げました。豊かな個性の一つとして長所を伸ばし、弱点を克服できるように支援していくことをターゲットとしました。全国的に展開され、1400名が会員としてこの活動をサポートしています。

○川ア会長より表彰状並びに副賞贈呈

○高山恵子理事長より受賞のことば(パワーポイントを使って説明、資料配布)
  本日は大変貴重な賞を頂戴いたしまして、心より感謝いたします。ありがとうございました。ADHDという障害はなかなかわかりにくく、まだ多くの方に知られていない状況です。10年間地道に活動してきて、このような賞をいただいたことは初めてです。全国で頑張っている会員の励みになります。
  えじそんくらぶという名前は、実はエジソンにもADHDという障害があったのではないかと言われています。とても破天荒で小学校では好奇心が強く授業中は質問ばかりしていたということで中退したそうです。集団行動が難しいが、ひらめきが多く、才能もあるが、良いサポーターに出会えれば、才能として開花します。5%くらいいると言われていますが、なかなかわかりません。
  坂本竜馬、ヘミングウェイ、ロックフェラー、トットちゃん、モーツァルトもADHDがあったのではないかと言われています。特徴として集中できない、多動、雄弁の3つがコントロールできないことで、集団活動ができないなどが挙げられます。えじそんくらぶのモットーとしてプラスの視点を大切にしています。集中できないということは、ひらめきと創造力があるということです。ルールを守れないということは、前例のないことにクリエイティブなことができるということです。創造力を必要とする職場に多いと言われています。衝動性も良いことに使えば、実行力、行動力ということなので、ベンチャー企業や社長に多いと言われています。以前は障害と言われていませんでしたが、最近そういう子ども達が苦労しているからサポートしなければいけないと言われるようになりました。
アメリカでは30年ほど前からこういう子ども達の支援を行なっています。日本では法律が整っていなかったのですが、ここ3,4年で状況がぐっと好転しました。議員立法で発達障害者支援法を通していただきました。アンバランスがあっても良い方とめぐり合えて、ダメだと言わずに良いところを見つければ、十分プラスに活躍できる人達です。誤解から生まれるトラブルとしては、うっかり忘れることが多く、約束を守れない、集中力がないので、人の話を聞かない、わがまま、大切なものをなくすので、責任感不足と言われたり、だらしがなかったりして、非常識、横柄、無礼と言われたりします。そういうことが生まれつきできない子が最近5%はいることがわかりました。
「育児ストレスを減らす3つのヒント」という冊子をジョンソン・エンド・ジョンソンから助成金をいただいてつくりました。こういうものを提供することにより、ストレスを減らし、子育てを楽にしましょうと提案しています。親はお金を出して講演を聞きにくることはなかなかできないので、大切なことは無料で提供することだと思います。こういう講座を無料で提供するためには、工夫が必要です。サポーターが増えれば十分活躍できる人達です。ADHDの人でも大学教授、弁護士、研究者の方もいらっしゃいます。幅広くいろいろな情報をお伝えして、多くの方に知っていただきたいと思い活動してきました。今後も無料提供したいと思っていますので、皆様方のご支援はとても嬉しいです。さらに冊子を多くの方に配布することができ、講座を提供することにより、救われる方が広がっていくと思います。
理解者・支援者を増やすために、いろいろな活動をしています。親が変われば、子どもも変わりますから、親支援もしています。アンバランスのある子ども達ですが、アンバランスのまま育てるという発想があって良いと思います。得意なところで誰かを助け、苦手なところは助けてもらうという互いにサポートしあう地域つくりが、これをきっかけにできたら嬉しいなと思っています。本も書かせていただいていますし、支援者が広がり、今回いただいた賞の影響力は大きいものがあります。地道にやってきたことが認められて嬉しく思います。本日はありがとうございました。

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◎ 第42回(平成20年度)

日 時:2008年7月18日(金)12:10〜12:30
場 所:経団連会館9階 クリスタル・ルーム

―第42回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体: NPO法人わんぱくクラブ育成会
理事長 里中哲夫氏 近藤すみ子氏

授賞式

授賞式

○小山田委員長より選考経過報告並びに受賞者紹介(活動内容配布)

   今年度は皆様のご協力をいただき、新たに10グループご紹介をいただき、過去のものを含めていろいろと検討させていただきました結果、NPO法人わんぱくクラブ育成会という知的障害児のケアをしておられる団体を委員会として推薦させていただき、役員会で承認され、今日の表彰式になりました。
  このグループについてはお手元に資料をお配りしてありますので、後でゆっくりお読みいただければと思います。知的障害者の人生を少しでも豊かにしたいということで、20年の長きに渡って親御さんのご協力をいただいたり、ボランティアやアルバイトの方々の助けを得てケアをしていらっしゃいます。私も先日子供を預けている親御さんと話す機会があり、家にいるときと、施設のときとでは子供の表彰が全く違うと言っていました。親御さんにとってもこの働きを感謝しておられます。公的な援助も受けておられますが、資金的に苦労をされておられます。限られた予算の中で出来るだけ子供達の人生を豊かにしたいと毎日努力をされておられます。施設の中でのプログラムを拝見させていただきましたが、皆さんいろいろ工夫をして、子供達の潜在的なものを引っ張り出せるようにしながら、ご苦労させている姿を見て胸を打たれました。私達の表彰はささやかなものですが、頑張っておられる方々の励みになっていただければありがたいと思っています。先般の青少年教育賞でも障害児のために働いている学生の方々が表彰されましたが、私達の身近なところで、たくさんの障害を抱えたご家族が苦労させていることがこういう機会を通して知らされますが、私達の日常生活においても、そういう方々がたくさんおられる、そういう人達のために働いている方々がおられることを心に留めて行きたいと思っております。

○吉江会長より表彰状、副賞の贈呈

○受賞のことば
○里中哲夫理事長より受賞のことば
   皆様は学童保育の活動をご存知でしょうか。共働きの子供達、東京では小学3年生までの放課後の活動を保障しているところです。最近は、放課後に怪しい事件がいっぱいあり、親が共働きでなくてもそういう場が必要ではないかということも出て来ました。24年前、私も共働きでしたので、知的障害のある子供を学童クラブに入れました。しかしながら小学3年生より後をどうしたものかとずっと思いあぐねておりました。そうする中で、6年生までは一緒に過ごそうという動きが始まり、その中に私の子供も入って活動しました。普通の子供は小学校が終わると、学童保育は必要なくなりますが、私の子供のためには中学生になっても必要だと思いました。その後、私たちの活動は紆余曲折を経て、指導員の近藤と一緒に「障害児の放課後を豊かに」をスローガンにして障害児だけの学童クラブ「わんぱくクラブ」を始めました。彼らは障害を持つが故に、誰かと約束をして遊んだりすることができません。遊びも誰かが支えなければなりません。いっぱいニーズはあるのですが、先立つものはお金で、初期のころ会員7,8人でやっていまして僅かなお金しかありません。家賃や光熱水費を払った後の僅かなお金で近藤をアルバイトとしてしか雇えませんでした。そんな中、私たちと同じような活動をしているところが都の補助金をもらっているという情報を得て、見学に行き我々ももらうために運動をすることにしました。何年か後に借金をしてちゃんとした場所を借り、漸く区からの助成金をもらえることになり、一人職員を雇うことが出来、仲間も増え始めました。
現在では学齢児「わんぱくクラブ」が20人定員で2箇所、幼児のためのデイサービスが1箇所(20名)、社会人のグループ「ひかり」は、現在35名で近い将来50名になります。現在の私共の一番の問題はこの社会人グループにどこからも援助がないことです。私達は細々とした歴史の中で何度か勇気を出して飛んで現在までの歴史を創ってきました。「ひかり」の施設が老朽化のために出て行かなくてはならなくなり、家賃が倍以上もするところに引っ越しました。このことでパワーが出て、世田谷区に場所を提供してほしいと働きかけています。
 人数で言うと、約90所帯が参加している小さな運動ですが、探し出して表彰していただき、大変光栄に思っております。表彰されるのは初めてのことでして会員とともにこの受賞を喜びたいと思います。今日はありがとうございました。

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◎ 第41回(平成19年度)

日 時:2007年7月20日(金)12:10〜12:30
場 所:経団連会館9階 クリスタル・ルーム

―第41回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体:NPO法人女性のスペース「結」
代表 中村敏子氏、副代表 小金澤孝子氏

授賞式

授賞式

○小山田社会公益委員長より選考経過報告

今年度は皆様から推薦をいただきました幾つかのグループ、以前ご推薦いただきました中からも掘り起こして検討を重ねて参りました。今回表彰されますNPOの「結」は2年前に最終選考に残られたグループです。何回かお話を伺いながら選考を進めて、キワニスの現状の活動目的と照らし合わせて、「結」が今年の社会公益賞に相応しいと委員会で決め、6月の役員会でご承認いただきました。
   NPO「結」は団体としてのスタートは2001年と日は浅いが、前身の活動を含めると約20年、地道な活動を続けておられます。「DVと児童虐待のない中野を皆の手で」をスローガンに中野区を中心に活動しておられます。主な活動はDVの被害者の電話相談です。約10名が仕事を持ちながら週2回電話相談を受け、被害者の支援に当たっています。DVは児童虐待防止法の中で心理的な虐待に位置づけられています。初めはDVの被害者の支援に当たっていましたが、DVは児童虐待の問題と切っても切りはなせないと、最近は児童虐待の問題にも力を入れて活動しておられます。DVを受けた家庭の子どもの8割が、成長して同じようにDVを繰り返すという状況になっています。
根本的にそういうことを起こさせない環境をつくって行こうと地道な活動をしています。電話相談の他に講演会、ビデオ上映、研修会、JR中野駅のガード下で年3回パネルを展示して中野区民に呼びかけたりしています。その中でのご苦労は現実を正しく受け止めてもらえるのだろうか、自分達が伝えているメッセージが正しく理解してもらえているのだろうかと腐心しておられます。手づくりのパンフレットの配布もされています。シェルターも運営されています。経済的な負担も大変で、約10人の活動に80人ほどのサポーターがいますが、運営費に苦労されているようです。
キワニスのモットー「世界の子どもに奉仕する」と、3年ほど前から児童虐待防止に取り組んでいることを総合的に勘案して、「結」の地道に活動に報いたいということで今回の受賞となりました。

○受賞のことば
・代表 中村敏子氏
   このたびはこのような名誉ある賞をいただきまして、本当にありがとうございます。経団連会館に初めて足を踏み入れました。日頃私達がしていることからとてもかけ離れたところにいらっしゃる方達のところで、名誉ある賞をいただけるなんて夢にも思っていませんでした。6月に賞をいただけるとの連絡を受け、スタッフ一同とても喜び、励みとなりました。今までに表彰されたことは小学校で健康優良児賞以来のことで、しかも、私だけでなく、スタッフ全員でもらえたことがとても嬉しく思います。
「結」の活動については、今、小山田さんからお話いただきましたので、おわかりいただけたかと思いますが、簡単にご報告させていただきます。
   女性のスペース「結」という名前になってから今年で6年目です。その前にフェミニストセラピー「結」 という名前で約20年活動しています。「DVのない中野を皆の手で」というスローガンを掲げたときに、男性の年配の方々からDVって何と言われ、ドメスティックバイオレンスだと説明し、話して行くうちにDVDになったりしたこともありました。2001年にDV防止法が出来、警察もDVに関して責任を持ってフォローするという法律でき、急速にDVという言葉が一般化されました。女性への暴力がなくなれば、子どもへの虐待はなくなるし、子どもへの虐待がなくなれば、女性への暴力はなくなるという裏表の関係ではないかと、実際に相談を受けたり、講演した中で実感しています。主に中野の地域の中で、週2回電話相談を受けています。電話相談も地域の中で始まりましたが、フィリップ・モリス社が助成金を出したフリーダイヤル、全国共通ホットラインに加入したことにより、全国から電話を受けるようになりました。昨年は約160件、今年は今の時点で既にその数字に越えるくらいになり、増えて来ています。「結」の特徴でもあり、中野駅のガード下で定期的にパネルの展示をしています。昨年、東京都のウイメンズプラザから助成金をいただいたので、今年の展示は子どもに対する虐待のパネルを追加しました。
  私達と一緒に活動している朗読劇の「言の葉」が8月3日のキワニスの会で、朗読劇をさせていただきます。「言の葉」と一緒に活動をしていることは意味があると感じています。講演だけだと皆様にわかっていただけない部分があり、それは特別なこと、特殊なことで、一般的なことではないと思われるところがありました。朗読劇を通して皆様の中にすんなり入り、身近な問題として考えてもらえるようになって来たように感じています。今年はこの賞をきっかけに助成金がいただけるようになり、講演会や会員の方々の感謝ためのコンサートを11月に企画したり、行事が目白押しです。ほとんどのスタッフは仕事をしながら、活動をしています。両立は難しく、ジレンマになっています。もう一歩進もうというときに、時間的に無理だったりして、進めないこともあります。仕事もし、ボランティアもするというのが私の信条です。女性の場合、ボランティア活動だけになることもありますが、両方ともバランスをとりながら活動して行くことが、人間として生きて行くことだと思います。アメリカなど活動を見ていると仕事を持ちながら様々なボランティア活動をしています。そういう活動が広がって行くと良いなと思います。本日はありがとうございました。

・副代表 小金澤孝子氏
   今日は本当にありがとうございました。このたび賞をいただき、仲間達の励みになります。皆、身銭を切って運営しておりますので、仕事と活動の両立は大変で、このように表彰していただくと、これから先もがんばろうという気持ちになります。電話が増えたことを聞いて、DV問題がたくさん出てきて良いことではないとお感じになった方も多いと思います。今まではそういうことは人に言ってはいけない、人に相談してはいけないというところがあり、新聞など表面に出ませんでした。しかし、DV防止法などが出来て、暴力は良くないことだということがわかってきて、私達の運動が微力ながらあり、警察も動いてくれるようになり、件数が多くなり、表面化して来ました。子どもの虐待についても子どもは健気です。自分の親の悪いことは言いません。痣が出来ていても転んだと言います。本当に信頼している大人にしか言いません。その辺を回りの大人がどうやってわかって行くかも大切な運動のひとつだと思います。朗読劇など分かりやすい表現を借りて、皆様にそのことがどんな問題になるのかわかっていただけると思います。8月3日そういう場をいただけて 本当に感謝しています。

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◎ 第39回(平成17年度)

日 時:2005年8月5日(金)12:30〜13:30
場 所:経団連会館9階 クリスタル・ルーム

―第39回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞者:世代間交流、夢のかけ橋
代表 丸山陽子氏

授賞式

授賞式

授賞者

授賞者

○小坂社会公益委員長より選考経過報告

   皆様からのご尽力で6件のご推薦をいただきまして、改めましてご協力に感謝申しあげます。6件のうち3件がノミネートされ、手分けをして現地を訪問させていただき、活動の状況をつぶさにお聞かせいただきました。3件とも甲乙つけがたく、委員会として選考に苦慮いたしました。今回の夢のかけ橋は次代を担う青少年の健全な成長を願い、しっかりした組織で地道に世代間交流の活動をいろいろな手立てでされ、青少年の更正、立ち直りに成果を上げて来られました。キワニスのモットーである「世界の子供たちに奉仕する」に最もフィットしているということで今回の受賞となりました。
  代表の丸山陽子様は昭和16年のお生まれ、昭和62年に警視庁から少年補導員 平成2年に保護司を委嘱され、8年に東京都青少年問題協議会委員、11 年に警察大学校の非常勤講師、15年東京都の子供犯罪に巻き込まないための方策を提言する会の委員をつとめておられます。中野区の自宅を世代間交流ために開放され、シェルターを自費で借用され、現在に至っています。

○丸山陽子氏より受賞のことば

     こんな幸せな気分でお話させていただけるとは思いませんでした。どういう会なのか期待をしたり、怖いと思ったりしました。先般、書物を読ませていただきましたが、本当に立派な方ばかりで素晴らしい会だとつくづく思いました。キワニス社会公益賞という重い賞をいただきまして、誠にありがとうございます。心から感謝を申しあげます。
   私は中高生の居場所づくりを皮切りに14年ほど前から自宅を開放し始めました。その前から30有余年青少年問題に携わって来ました。私の子供も育てながら地域の子供たちと一緒に学び、私自身も周りのお母さん達も一緒に学んで行かなければ、この地域は良くならないと感じました。正直なところわが子には手がかかりませんでした。躾は小さいときから厳しくしましたが、ああしろ、こうしろとは言いませんでした。教育委員会から青少年委員のお役を受けてジュニアリーダークラブの子供たちを見るようになりました。当時は三無主義の子供たちがいっぱいいました。不登校や暴走族などいろいろいましたが、彼らの中身は親の愛情を受けていないことがわかりました。これは公的に何かをやってあげるというよりも、中高生の多感期になると、行き場がなくなるので、居場所をつくってあげたいと思いました。
親にあれをしなさい、これをしないとお尻をたたかれ、レールを引かれている子供には行き場がありすぎて疲れきっています。行き場のない子は放っておかれて、かわいそうな思春期を迎えていました。第2土曜日に家を開放して子供たちを受け止めようと決心しました。仲間やリタイアされ、いろいろなノウハウをお持ちの父親達に加わっていただきました。先輩方に教えていただくには世代間交流が大事です。夢のかけ橋は子供たちに夢を与える、その夢を応援するのが我々の役目だと考えました。島津久子先生が私を可愛がってくださいました。島津先生は大切なことは正しく後世に引継ぐことです。難しい時代はお互いに学び合い、超高齢になったときには大人も子供も一緒に助け合わなければならないので、生涯学習、一緒に学び合ってくださいと教えられました。
   悲惨な子がたくさんいました。自殺を3回試みた子供が我が家に来て、こんなに温かい気持ちになれたことはないと言い、本当にリーダーになり、今ではバリバリ働いています。その子達は育って、現在、子育て中です。第2土、日は我が家を開放し、第2、第4日は児童館を開放しています。第4土曜日は安全安心教室でいろいろなテーマで勉強会をしています。
   真面目の一歩という図書カードをプレゼントしたいと思います。(メルシーに寄付いただきました。)本日はありがとうございました。

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◎ 第38回(平成16年度)

日 時:2004年7月16日(金)12:30〜13:30
会 場:経団連会館9階クリスタル・ルーム 

―第38回キワニス社会公益賞贈呈式―
受賞団体:発見工房クリエイト
理事長 橋本静代氏

授賞式

授賞式

授賞者

授賞者

○川ア社会公益委員長より選考経過報告

 新年早々から会員各位に候補者の推薦をお願いし、集まって参りました候補につき委員会で選考作業を進めました。それと同時に木全副会長のご足労をお煩わせして、皆様の支持が高かった複数の候補のところを実地見学と、代表者やメンバーの方々とのお話し合いをさせていただきました。そして絞込みましたのが本日社会公益賞を受賞されることになりました発見工房クリエイトの橋本静代先生です。心から祝意を表したいと思います。その活動については後ほど先生からお話があろうかと思います。
主だった事業を紹介すると、@ミニ科学館、Aおもしろ実験教室、B科学対話です。木全副会長のお供をして現地を訪問させていただきましたが、川崎市麻生区にある多摩丘陵の山ろくの小さな丘の上にあります。1階が実験教室、2階が実験装置、器具などがびっしり並んでいました。ほとんどが手作りです。庭には科学の不思議さを子供に体験させるような科学遊具が設置されていました。決して交通の便利なところではありませんが、2時間以上もかけて子供達が集まって来るということは、それだけ吸引力のある施設だということだと思います。先生にお伺いしたときに印象に残りましたことをお話したいと思います。先生は東大をご卒業後、宇宙航空研に勤務され、その後ながらく東海大学で先生をされておられました。学生達を見て先生が感じられたことは、知識偏重教育と申しますか、これがもたらす弊害ではないでしょうが、思考能力、物を考える力に欠けるきらいがある、一方 知識偏重教育ではおきざりにされるような自分でじっくり考えるタイプの子供達が、中に入ってから伸びることがよく見られるので、教鞭をとっている中でぜひとも考える楽しさ、発見する喜びを与えるような指導をしてみたい、子供達の創造力を伸ばしたいという構想を暖めていらっしゃいました。
平成7年に大学を定年退職され、退職金をすべて投じて発見工房クリエイトを創立されました。10年近く大変なご苦労を重ねながら事業を進めて来られました。希望者が多く、小さな工房なので収容する能力がありません。そこで、インストラクターを育てることになりました。これに川崎市が支援することになり、指導者も少しずつ増えて来ました。この指導者達が先生の意を継いで、神奈川県内にとどまらず各地で実験教室を開いています。こういったご努力に対して深く敬意を表するものです。私たちが訪問したときに先生が述懐されたことは、年も年だし疲れましたというお言葉がありました。しかし、先生がお播きになった種は確実に広がっていますし、発見工房クリエイトの輪は県内外に少しずつ着実に広がっていると思います。今回の受賞を契機とされまして、もう一踏ん張りこういった創造力の豊かな子供を育てるべくご努力の程お願い申しあげて私の報告としたします。

○橋本静代氏より受賞のことば

  このたびは思いもかけずにキワニス社会公益賞をいただくこととなり、大変光栄なことと喜んでおります。ありがとうございます。  発見工房クリエイトは現在NPO法人ですが、その前身は私が30年近く勤務しておりました大学を退職したときの退職金で子供のための小さな科学館を建てたことが始まりです。私事で恐縮ですが、私は研究と教育に携わりながら3人の子供を育てて参りました。その人生の前半で最も苦悩してエネルギーの大半を費やして来たのは自分の子供の不登校でした。10年ばかりそのことを考え、あらゆる手を尽くして来ました。幸い自分の子供については解決の兆しが見えてきましたが、不登校児はその後増加を続けて、今日では大きな社会問題になっています。なぜこんなに不登校児が増えるのかいろいろな見解はあると思いますが、一番不幸なのは不登校せざるをえない状況にある子供達自身です。今現在こうして悩む子供達がたくさんいることに私は手をこまねいて見ていることができませんでした。定年後の人生はこの子達の目に輝きを取り戻し、夢中になるような場をつくりたいと、私にエネルギーが残っている間はそれに投入してみたいと思いました。私が子育てしていたころから考えていた科学遊びを実現することでした。子供は体を動かして遊ぶことが大好きです。思いっきり遊びながら科学の不思議に惹かれて行くような遊具をつくりたいと前々から考えていました。それがメビウス帯のわたり棒です。よじ登りながら不思議だなと思うようなものを考えていました。共振ブランコ、クラインの壷のアスレチック、回転ステージ「コリオリ」、フーコー振り子のブランコ、ポテンシャルすべり台なども考えました。遊びながら体験し、ポテンシャルは物理的には興味深いものですから、後々に習ったときに理解が早いのではないかと思いました。前々からこのような遊具を考えていましたが、つくってくれるところがなく、とうとう定年になるまで実現することはできませんでした。定年になって自分の土地に小さな家を建て、子供達が伸び伸びと遊べる場をつくりました
子供達に実験をさせたいとおもしろ科学実験教室を開くことにしました。この教室は知識の詰め込みではなく、あくまで科学の考える楽しさ、自ら発見する歓びを子供達に知ってもらおうとするものです。一人ひとりの独創力を伸ばすことを第一にしてやっています。1995年12月にミニ科学館を建てたのが始まりです。当時、学習と言えば受験が目標と考えられていましたから、受験とはまったく縁がないこの教室に中学生が集まるか心配でした。また、場所は辺鄙なところですが、交通が激しく子供が来るには危ないようなところで心配でしたが、新聞に掲載されたので、最初から定員の2倍を越すほどの応募者が集まり、こちらの方が驚きました。そのころは熱心な学校の先生がおもしろい科学実験を工夫してされていましたが、そういう先生達は学校ではあまり評判の良い先生ではなかったようです。受験に関係のあることをやってくれと言われたり、親達からも喜ばれなかったようです。そういう先生達が協力して一緒にこの教室をやりました。その先生達もこの教室に子供達が来るかどうか心配していましたが、多くの子供が集まったということは、こういうことを希望している親も多かったということもわかり、非常に励みになりました。こんな教室ができるのを待っていたとか、絶対にやめないでくださいと励まされ、何とか続けて来ました。ここへ来る子供達の目は輝いていました。一度来るとおもしろいので、休まずに来てくれます。10時から夕方5時まで一つのテーマで実験をしました。長い子は5年も続けて来ていました。中には不登校の子供もいて、ここへ来ているときは元気で率先して実験をやっていました。スタッフ達はその子が不登校だとは信じられませんでした。その子は中学3年のときに自分に合う高校に行きました。むしろ不登校の子供達は科学が非常に好きで、優れている子が多いと思います。今の状態ではそういう子供は学校でいじめを受けて行かれなくなったりする状況があるようです。
1999年9月に発見工房クリエイトがNPO法人になりました。小中学生を対象とする科学実験工作教室を企業とのパートナーシップで行うようになり、数百人の子供を対象にして実施したり、地域の行政との共同イベントを実施したりして急速に広がりました。特に小学生の参加希望者が急増し、2001年になると、実験教室の予定は募集開始すると10日で1年分の予定が一杯になり、もっと教室を増やして欲しいという要望が非常に強くなりました。一つのNPO法人だけでは対応できなくなりました。科学技術創造立国を唱える日本の次世代の担い手育成にとっては好ましい傾向になってきたのですから、行政とNPOが共同して取り組んで行かなければならない問題だと考えました。
さらに市民のパワーも必要となることを強く感じておりましたので、行政に提言して一般市民を対象とする子供の科学体験活動指導者養成研修会を実施し、指導者を大量に増やして市民の手で行政と共同して子供達を育成していく体制をつくっていくという提案をしました。まず川崎市がそれを取り上げ、2002年度から予算につけてくれました。川崎科学塾の中に次世代の科学技術の担い手の育成を入れて、始まり、今年で3年目に入りました。昨年はその修了者達が市民団体を立ち上げ、市内の子供達に科学のおもしろさを知らせるためにボランティア活動を積極的に行っています。研修会に参加した人達は科学技術関係の仕事に携わっていた技術者、教員などの退職者、主婦、大学院生、現職の教員、その他様々な有能な方々です。これらの人達のネットワークで地域の子供達に科学のおもしろさを知らせる実験工作教室などを数多く行い、大きく普及に努めています。子供の理科離れが考えられないくらい科学実験教室の実施依頼がたくさん寄せられるようになって来ています。これからもどんどん活動を広げて参りたいと思っております。本日はこのような活動を評価していただき、社会公益賞をいただくことができましたことを深く感謝しております。

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